不動産登記をすることの意味とは?

 不動産(土地や建物)を売買や贈与、相続したことにより取得すると、司法書士に依頼して登記をし、名義を変更することになります。
 では、その不動産登記をすることにはどのような意味があるのでしょうか?

 まず判例を見てみましょう。判例には「不動産に関する物権の得喪変更が実体上存在しない以上は、たとえその登記をしても、それによりその得喪変更が生ずるものではない。(大正6年4月26日大審院判決・民録23輯758頁)」とあります。
 意訳すると「不動産(土地や建物)の売買や贈与、相続という事実がない以上、たとえ登記をしたとしても、所有権が移転することはない。」ということです。まずは、不動産登記それ自体によって、売買や贈与、相続などの効果が発生するわけではく、所有権が移転することにはならないという点が重要です。

 では、不動産登記をすることにはどんな意味があるのでしょうか?
 民法177条には「・・・登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」とあります。
 大胆に意訳すると「・・・登記をしておけば、周囲のみんなにこれは自分のものだと言えるよ。」という感じです。これが不動産登記をすることによって発生する効力です。登記簿という公的な帳簿に記録されることで、「これは自分のものですよ」とみんなに言えるようになるというのが、不動産登記をすることの重要な意味です。

 以上見てきたように、売買や贈与、相続などの事実によって所有権が移転し、不動産登記によって登記簿という公的な帳簿に記録されて「これは自分のものですよ」と周囲のみんなに言えるようになります。売買や贈与、相続などの事実も、不動産登記も両方がとても重要で、どちらか一方が欠けても成り立ちません。
 私ども司法書士は、ご依頼者の大切な財産を守るために、全神経を注いで不動産登記手続きをおこなっております。

不動産登記についてはこちら↓

不動産登記